昭和31年(1986年)2月10日(月曜日)読売新聞に珪砂された私的病院会の記事内容をここに記します。

共通の基盤で結束

昨年6月に発足した栃木県私的病院会=川上稔会長(75)(今市市)=には、現在、県内102の私的病院のうち、半数を超える69病院が加盟している。国、公立を含めた病院数20以上の病院の県内組織としては栃木県病院協会=齋藤和雄・国立栃木病院長(75)、加盟102病院=があり、私的病院の大部分が加盟しているが、「官、公立主導型」の県病院協会とは別に、経営形態や税制面で共通基盤を持つ私的病院が結束しようというのが県私的病院会だ。  発足のきっかけは59年夏。川上会長と秋山洋一・両毛病院長(64)(佐野市)が発起人となって、私的病院に勤務する職員の厚生年金基金の創設を呼びかけた。  そして昨年3月、約60人の私的病院長が集まり、当初は基金について話し合うはずだったが、「まずは結束の方が先決」(秋山病院長)との意見が続出、会結成の運びとなった。  副会長は、秋山病院をはじめ、菅間恒院長(58)(黒磯市、菅間病院)、高瀬佳久院長(57)(宇都宮市、高瀬整形外科病院)、野田滋行院長(69)(西方村、西方病院)の計4人。

自負ある住民奉仕

加盟一般病院の中で最大規模の病院長、菅間院長は、「診療報酬面でも公的病院が優先されている傾向がある。企業努力、住民への奉仕という点でわれわれにはそれなりの自負がある」と鼻息は荒い。  同会では昨年11月、県議会民生衛生環境常任委員会のメンバーとの懇談会を持った。今年1月の研修会には、推津弘之副知事と、医師でもある鈴木忠義県衛生環境部長を招くなど積極的な“病院長外交”を展開している。  同会の研修・学会委員会担当理事・鷲谷澄夫院長(59)(宇都宮市、鷲谷整形外科病院)は「行政の医療監視などで、私的病院の医療スタッフ不足がよく問題にされるが、高い人件費を払うために患者を増やし、結果的にはさらにスタッフが不足するという悪循環がある」と経営の難しさを語る。

人材確保見直し  こうした慢性的なスタッフ不足を補うため、同会は、これまでの個別ルートに頼っての人材確保策を見直している。昨年暮れには獨協医大教授会にスタッフ供給の協力を要請した。